マイペース数学者のブログ

大阪在住数学者のブログです。どうしても、数学関連のことがメインになると思います。

溜まる論文

数ヶ月前にこのブログで、しばらく充電期間に入る(研究面での話)的なことを書いたのだけど、結局そうなっていない。8月に少し解析数論や数理論理学の入門書を読み始めたのだけど、9月の海外出張あたりから通常の研究モードになってしまい、さらに10月に授業が始まってからは忙しくなってしまい、読み始めた本はそのまま放置している。いずれ再開したいけれど、目先の研究も楽しい。

書きたい論文がいろいろ溜まっている。書きかけのものが二つ、大幅に改訂するべきものが一つ、書き始めたいものが一つ。全部、野生マッカイ関連だけど。以前は、一つの論文を仕上げるまでは、他のことは出来ない性分だったけど、少し変わってきた。というより、環境が変わらされた面が大きいかも。共同研究の影響もある。相手のペースがあるから自分だけ焦ってもしょうがないから、自分は別のことをやるという感じ。

局所体上の野生マッカイ対応がかなり一般の状況でpoint counting realization(下記参照)のレベルで大体証明できたようだ。双対性に関する共著論文も大分できあがったし、局所体の場合の野生マッカイ対応は一つの節目を迎えつつある気がする。まだ残された問題も多いが、これらはのんびり他の人と協力してやりつつ、大域体の場合をまた考えたい。局所体で使ったアイデアでもう一つ大域体でも使えそうなものが分かったので、それで論文を書きたいと思っている。その前にやりかけのものを片付けるべきかもしれないが。

point counting realization:

体$k$上の代数多様体の同型類$[X]$で生成される自由アーベル群を次の関係で割ったものを$k$代数多様体Grothendieckという:閉部分多様体$Y \subset X$に対し$[X]=[X\setminus Y] + [Y]$。この環を通常$K_0(Var_k)$と書く。代数多様体$X$に対して元$[X]\in K_0(Var_k)$を$X$のモチーフという。(本当のモチーフはもっと精密な構成が必要だが、これは粗いバージョン。これをpoor man's motifとだれか偉い人が読んだらしい。)$k$が有限体のとき、$k$代数多様体$X$の$k$点の集合$X(k)$は有限集合になり、$k$点の個数を$\sharp X(k)$と書く。これは$X$が定めるモチーフ$[X]$に対する不変量だと思えて、$K_0(Var_k)$から整数環$\mathbb{Z}$への環準同型が出来る。これをモチーフのpoint counting realization(点数え実現)という。


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